2D-CAD 再考

概要

3D-CADが、急速に普及していますが、製造業では、まだ、2D-CADでの図面による製造が主流ではないでしょうか。
2D-CADソフトでは、世界的にみると、AutoCAD(米国AUTODESK社製)が広く使われており、AUTODESK社が開発した2D-CADファイルフォーマット、DXF、DWGは、2D-CADの共通フォーマットとなっています。

補足:
 DWG:AutoCAD標準のファイル形式であり、Autodesk社が策定している形式です。
  そのため、AutoCADを用いてファイルを作成した場合には、こちらの形式で作成されます。
  AutoCAD及びDWGが業界のデファクトスタンダードであるならば、全てのCADソフトがDWG形式に対応しているのが自然なように感じますが、DWGという形式の仕様は非公開であり、他のソフトウェアでは対応することが容易ではありません。
 一応DWGに対応しているDWG互換CADも多数存在していますが、互換性の程度には差があり、留意が必要です。
 DXF:図面用のフォーマットの1種であり、2次元および3次元の形状をベクター形式で表現する。DXFはオートデスクの"AutoCAD"における異なるバージョン間のデータ互換を目的として策定された。
    内部仕様が公開されているため、多くのCADソフトで対応している。

中小製造業としては、世界標準のAutoCADを使用したいと思いますが、使用価格(サブスクリプション契約、つまり年契約)は使用者が増えると、馬鹿になりません。
2019年までは、フリーソフトとしては、AutoCAD互換を謳っているDraftSight(フランスのダッソー社製)を使用されていた製造業者も多かったのではないでしょうか。
2019年に、有料(サブスクリプション契約)となりましたが、AutoCADと比べれば、まだ低価格ですので、AutoCADの代替としては、現在でも最適な製品です。
AutoCADユーザーは、それほどストレスなくDraftSightを使用することができます。
AutoCAD、DraftSight共に解説書も豊富にありますし、ネットでも種々の情報を得ることができます。

AutoCADとDraftSightの価格表(2022年12月時点。正規価格。キャンペーン価格ではない。)

製品名メーカーホームページ価格
AutoCADAUTODESKhttps://www.autodesk.co.jp/products/autocad/overview?term=1-YEAR&tab=subscription71,500/年
AutoCAD Plus231,000/年
Draftsight ProfessionalDassalt systemshttps://www.draftsight.com/32,659/年
DraftSight Preminum52,909/年

筆者としては、DraftSightのサブスクリプション契約で経費的に問題なければ、DraftSightを使用されることを推奨します。
(AUTODESK社に敬意を表し、少なくとも1セットはAutoCADを購入して欲しいですが)
理由は、
 1 当然、AutoCADとの操作性が類似しているので、移行が容易
 2 出版本もあり、容易に勉強できる
 3 解説やハウツーがらみのWeb情報やYouTube情報が豊富
 4 機能向上のバージョンアップが継続的に実施されている
であることです。

ただ、DraftSightのサブスクリプション契約よりも安価なソフトに切り替えたいと考えておられる製造業様には、
1 AutoCADと互換性が高いソフトを使用したい
2 DWGの読み書きができれば、AutoCADとの互換性にこだわらない。
の2タイプに別れると思います。
それぞれに対して、候補となるソフトを調査し、以後、紹介したいと考えております。
なお、ここでは、互換ソフトとは
 1 DXF及びDWGファイルの読み書きができる
 2 図面の基本構造がモデル空間、レイアウト空間(ペーパー空間)の構成となっていること
 3 図面の作成、修正の操作がAutoCADと同じ流れであること
を満たすソフトとします。
これであれば、容易にAutoCADから移行できると考えております。

DraftSightより安価な互換ソフトは、意外と少なく、現時点での調査段階では、

製品名メーカーホームページ価格
nanoCAD free  (ver. 5)Nanosofthttps://nanocad.com/products/無料
nanoCAD 22$200/年

しか、挙げることが出来ません。
 nanoCADには、日本語版はありません。
nanoCADフリー版は、旧バージョン(ver. 5)をフリー化したもので、有償最新版はver.22です。パラメトリック機能がないなど、製造業の製図機能としては見劣りがあり、推奨できません。有償版も、ほぼDraftSightと同価格帯であり、敢えて、選択する理由はないと判断しております。
 結論として、DraftSightより安価な互換ソフトで製造業で業務に使用できる推奨ソフトは、現時点までの調査では、ありません。
今後も継続して、調査し、推奨できる互換ソフトが見つかれば、紹介していきます。

非互換ソフト(DXFファイル読み書き可)としては、多数存在します。 
フリーソフトやDraftSightよりも低価格の有償ソフトとしては、

製品名メーカーホームページ価格その他
JWCAD個人(2名)https://www.jwcad.net/無料商用利用可能
AR-CAD株式会社SHFhttp://www.ar-cad.net/無料商用利用可能
RootPro free株式会社ルートプロhttps://www.rootprocad.com/無料商用利用可能
RootPro 19,800円
鍋CAD free鍋テックhttp://www.nabetech.com/無料商用利用不可
鍋CAD 49,800円鍋CAD9プロ版(CAM付)99,800円もあり
Solid Edge 2D DraftingSiemenshttps://www.plm.automation.siemens.com/plmapp/education/solid-edge/ja_jp/free-software/free-2d-cad無料商用利用可能
LibreCADlibrecad.orghttps://librecad.org/無料商用利用可能
QCAD freeQCAD.orghttps://www.qcad.org/en/無料商用利用可能
QCAD Professional EURO38.0

が挙げられます。
 JWCAD 操作性が特殊。建築系に特化している。建築関係では、幅広く採用されており、出版物も多いが、機械系には相当の慣れが必要。
 AR-CAD DWGファイルの読み書きが不可。
であり、製造業向けとしては除外したいと思います。また、フリー版で商用利用不可となっているものを除外すると、
結果として、候補としては、商用利用可能品として
 1 RootPro (有償版)
 2 鍋CAD(有償版)
 3 Solid Edge 2D Drafting(ドイツ シーメンス社製、フリー)
 4 LibreCAD
 5 QCAD(フリー版、有償版)
となります。

特に、QCAD有償版は、機能も豊富で、価格的にも 38ユーロで購入でき、また、別ソフトとしてCAMソフト同梱版(103ユーロ)があり、製造業としては最適なように思います。
QCADに関しては、WEBやYouTubeで操作方法が多数アップされていますので、本サイトでは、製造業向けとして有用な操作方法等に特化して、紹介していきたいと思います。